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さて、店舗を購入したらまず オパール店としてどういう設計にするべきかが大きな問題になってくる。
自分の希望で始めた店であるし、
もともとその道の権威というものをあまり信用しないたちなので
始めからすべて自分で設計するつもりであった。
とは言っても 借り入れた店舗にはただ、長方形の空間が広がるばかり。
メジャーと電卓と方眼紙を持ち込み
コンクリート上に
ここはカウンター、ここはオフィスと
白いチョークで 子供が石蹴りの陣地を描くように描いていく。
白くかすれたチョークの上に
バーチャルのカウンターやライトを想定して
入り口から顧客になったつもりで歩いて実測していく。

サイズや位置は 内側で働くスタッフの
動作を
それぞれ設定して
チョークの中を何度も行ったり来たりして
決めていく。
決まったら方眼紙に縮小図を計算しながら描きこんでいく。
そういった一連の作業の中、トローリーの設計段階で 底辺と高さがわかっている三角形の他の斜辺の長さを 計算上 正確に示す必要が生じた。
この値の出し方を 周りの人々に尋ねたところ全滅。
そこで
白羽の矢が立ったのは
シドニー時代の友人 駐在員夫人、その息子が
現役東大生であったのを思い出し、
日本に国際電話。
そして
「ピタゴラスの定理というものを使って割り出すべし」と言う答えをを拝聴したのであった。
このときは変な感動を覚えたものだった。
なにしろ
偉大なる証明をした数学者の業績を 現実に必要とし、実生活に活用できたことであるから。
ちなみに直角三角形の斜辺の長さをa、その他の辺の長さをb、cとした時 a2 =
b2 + c2 となる。という定理であった。
さぞかし本物の設計士が見たら噴飯ものだったであろう。
しかし、私は3店舗ともこの方法でやってきた。
カッコいいお店とか
デザインがしゃれているとかが目的ではなく
なんと言っても顧客が気軽に入り易い店、入りたくなる店を目指すというのが最大のコンセプトであった。
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